金魚のめがね

昆虫写真家、金魚と暮らす日々。

2016年03月

池山会長のこと

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池山 五郎 会長 2015年の観賞魚フェアにて。

去る3月17日、大阪らんちゅう愛好会の池山五郎会長がお亡くなりになりました。享年78歳。

大阪らんちゅうの復元と普及に半生を賭けられた、僕が心より尊敬する先生でした。

その連絡はあまりにも突然の事で、しばらくぽかんと放心状態。つい数か月前には会員の方からお元気な様子を聞いていたので、まさかこんなことになるとは思いもしませんでした。

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2013年、品評会で挨拶される池山会長

ここに簡単ではありますが、池山会長が大阪らんちゅうの復元と普及に果たされた功績を簡単に記しておきます。僕が会長から直接聞いたお話をベースに、各種資料の記録を元に補完。

・戦後まもなく絶滅したとされる金魚、「大阪らんちゅう」を知り、その生き残りを探して各地を探訪。膨大な時間と費用をかけ、1970年代半ば、ついに大阪府富田林市の旧家の池に、半ば野生化して泳いでいる2尾を発見。パンツ一枚になって池に入り掬い上げ、それを譲り受ける。ただしいずれもオスだったために繁殖させることはできなかった。

・その後、奈良・大和郡山で大阪らんちゅうを他品種(ナンキン、土佐錦魚、らんちゅう、中国花房)から復元しようとされていた西川氏(西川金魚農場)より、復元過程の魚を譲り受ける。これを先のオス2尾と掛け合わせ、池山会長の大阪らんちゅう復元がはじまる。

・文献や口伝を元に研究を重ねつつ交配を繰り返し、完全復元に向けて30年以上にわたり品種改良を続ける。

・2006年、より多くの方の力と知恵を結集すべく「大阪らんちゅう愛好会」を結成。以後、本年まで会長を務め、大阪らんちゅうの復元と普及、後進の指導に尽力する。

 このように、本来は人知れず絶滅していたであろう「大阪らんちゅう」という金魚を、現代を生きる僕たちに見せてくれたのは、池山会長の情熱なのです。

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池山会長、2014年初夏の黒子頒布会にて。

 もっとも僕自身は金魚を飼い始めたのが2012年ですからつい最近のこと。しかし何のご縁か、最初に飼ったのが向坂養魚場で生産された(池山会長系の)大阪らんちゅうだったことから、いつの間にかこの品種にすっかり魅了されてしまい、翌年秋の愛好会入会につながりました。

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池山会長作出の親魚。

会長は「会員には何でも教える!」と言うのが口癖で、僕のような初心者にも分け隔てなく接し、絶対に他では聞けないような飼育や品種改良の「コツ」や「秘密」を何度も何度も、理解できるまでやさしく話してくださったものです。

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熱く指導される池山会長。2015年夏、研究会にて。
 
 会長がその豊かな見識を元に、金魚飼育のアドバイスを身近な出来事や最新の時事ネタなどに例えてユーモアたっぷりに話されるのがとても面白く、会長がお話されるときには常に近くにいて一言も聞き漏らすまいとメモ帳を持って聞いたものでした。その「池山語録」は僕の宝物であり、金魚飼育の道標です。

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2015年品評大会表彰式にて。池山会長と僕。

 そのおかげでしょうか、いつの間にか僕も品評大会で入賞できるような魚を育てることができるようになっていました。もっとも会長には「肉瘤が出とるな」「餌のやりすぎだ!」と注意されてばかりでしたが。

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我が家のカタヒゲちゃん(2014年当時撮影したもの)

 中でも忘れられないのは、一昨年の大会に僕が出品した二歳魚、これの鼻髭が片方赤で片方白だったのを見た審査中の会長が「カタヒゲじゃん!」と大きな声で一蹴した場面。自分の魚への批評なのに思わず笑ってしまったのを、昨日のことのように思い出します。その後、我が家でその魚は「カタヒゲちゃん」と呼ぶようになり、今日も元気に泳いでいます。いわば会長が名付け親。

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会長が作出され、おそらく一番気に入っておられた「楊貴妃」という斑名の親魚。

 そんな楽しい思い出をたくさん残してくださった池山会長ですが、実際にはわずか2年半ほどのお付き合いでした。まだまだたくさんお話が聞きたかったのに、残念でなりません。

けれど、ほんの短い間でも同じ時代に生き同じ場所で同じ時間を過ごせたこと、直接ご指導を頂けたことはこの上なく光栄です。頂いたアドバイスの一つ一つを胸に、会長が遺された素晴らしい金魚を次代へとつないでいきます。

 どうか雲の上でも大好きな煙草をふかしながら、美しい金魚たちを眺めていてください。そして悲願であった大阪らんちゅうの完全復元への道のりを、愛好会の行く末を、いつもの笑顔で、そしてほんの少し心配しながら見守っていてください。

 池山会長、ほんとうにありがとうございました。 ご冥福を心よりお祈りいたします。

赤出目金、ふたたび

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赤出目金

これまで見ていただいたように我が家には出目の金魚が多いのですが、 その親玉的存在がこの赤出目金。2013年1月に弥富から金魚すくいサイズの当歳魚を連れてきたもの。ちなみに飼育開始から8か月後、2年半前の姿がこちら→ 赤出目金#1 

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赤出目金

当時と比べるとヒレ、特に尾が長くのび、いっそう優雅な姿に。そして両目の間、頭部にはふっくらと肉瘤が。

 
赤出目金 ムービー

長い尾がたなびいて。普通の出目金もこうなると見ごたえがあります。

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赤出目金

まだ少しずつ大きくなっているような・・・

2016年3月6日撮影

引き立てあう

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琉金(右)・キャリコ(左)

2013年生まれの自家産琉金(赤い方)。当時飼っていた飯田産の更紗琉金と中国産ブロードテール琉金の間に生まれた個体。ブロードテールほどではないのですが、尾が広く展開し前方は反転して土佐錦魚のようになっています。同様の形質を持つ個体が普通鱗、透明鱗それぞれいくつか得られたので累代も考えましたが、他が忙しくて手が回らず・・・。

一方、このキャリコは近所のペット専門店で購入した弥富産。2012年から飼っている、我が家では最古参の金魚ですが、まだまだ元気です。



琉金キャリコ ムービー

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琉金(下)・キャリコ(上)

一緒に泳がせるとその色の違いが際立ち、互いに引き立てあって一際華やか。

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琉金

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 キャリコ

記録用に。

2016年3月6日撮影 

いい仕事

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もみじ出目金

昨年、丸文横浜店(最近店名がカハラに変わったようです)から連れ帰ってきたもみじ出目金。こちらも冬期は屋外に出していましたが、元気に春を迎えてくれました。背部に入った網透明鱗がきらめきます。

 
もみじ出目金 ムービー

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もみじ出目金

体の更紗模様や緋がほどよく散らされた尾もお気に入り。冬眠明けで痩せていますが、今後は写真のモデルとしても、いい仕事をしてくれそうです。

2016年3月6日撮影

ルーツ

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三色出目金

昨夏、弥富から連れ帰ってきた三色(キャリコ)出目金。

彼らも無事に屋外で冬を越しました。

 
三色出目金 ムービー

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伏し目がちな個体

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こちらは腹が赤く華やか

三色出目金はキャリコ琉金や東錦など、モザイク透明鱗をもつ金魚のルーツとなった由緒正しい金魚なのですが、それほど流通が多くないのか良魚にはなかなか巡り会えません。

この2個体は明二歳のまだ小さな魚ですが、成長に伴ってどんな姿を見せてくれることでしょうか。

2016年3月6日撮影
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